セカンド・オピニオンとは
最善の治療法を選ぶために
セカンド・オピニオンとは、患者さんが納得できる治療法を選択するために、担当医(がんの診断をした医師)以外の医師から、意見や情報提供を受けることです。
以前は、乳がんの治療法も病院や医師の考え方でかなり幅がありました。特に、乳房温存療法が導入されたころは、まだ日本では乳房全摘術が一般的で、受診する病院や医師の考え方で、乳房が温存されることもあれば全摘されることもあるという時代があったのです。
しかし、現在では各種ガイドラインが公開され、情報へのアクセスは容易になり、一般の方でも各病院の手術件数、治療内容、スタッフの陣容、専門性などを知ることも容易になってきました。
医師の立場からしても自分の専門分野での世界、日本の動向を把握することが以前に比べると容易になってきています。このため、病院や医師によって治療法が全く異なるということはなくなってきたと思います。
それでも医師の説明が十分でなかったり、別の治療法について知りたい、あるいはもう少しほかの医師の意見も聞きたいというときには、セカンドオピニオンが役立ちます。同じ治療法でも、説明する医師によって情報提供の仕方が異なることもあります。あとで後悔しないためにも、複数の医師の意見を聞くことは決して無駄ではありません。
セカンドオピニオンを求めるためには、担当医に紹介状を書いてもらい、検査データを借りて持参します。現在は、セカンドオピニオンを求めることが一般的になっているので、医師の側も露骨に嫌な顔をすることはないはずです。もし、ここで不機嫌な態度をとるようならば、むしろ治療を受ける前に病院をかえた方がいいかもしれません。セカンドオピニオンを求めることは患者さんの基本的な権利だからです。
ただし、セカンドオピニオンは決してドクターショッピング(次々と医師をかえること)ではありません。情報を提供してもらって、患者さんの不安を除くことが目的であり、気の合う医師を探すことが目的ではありません。治療内容、治療レベルに明らかな差がある場合を除き、納得できたら元の病院で治療を受けるのが原則です。