虎の門病院の初期臨床研修、後期臨床研修情報
初期臨床研修の募集について
初期研修医:募集人数21名(注1)の募集に対して例年100名余の応募があり学科試験と面接が行われます。外科系プログラム(6名募集)の場合、実質的な競争率は例年5倍程度になっています。
虎の門病院での初期研修の特徴
1)研修医の税込年収が800万円(家賃補助も含めると900万円)程度と比較的高めに設定されており、全国から人材が集まる一因になっていると思います。(注2)
2)経験できる症例数が多い点:年間手術件数で例えば乳腺外科550例、肝胆膵外科650例、大腸外科850例、循環器センター外科350例、呼吸器外科450例など各診療科が東京の基幹施設に相応しい症例数の手術を行っています。
3)港区虎ノ門に位置し、若い時期を学術的、私生活両面において刺激のある環境で過ごせる点:例えば当科であれば後期研修医には英文・原著での筆頭論文の作成を指導しており、後期研修医が臨床で英文原著を書くためには症例数と指導医が揃わないとなかなかできないことなので、これが虎の門病院の特徴と言えます。外科レジデント:川口駿先生の論文掲載につい
(注1)外科系6名 内科系11名 産婦人科2名 小児科2名(計21名) (産婦人科プログラム、内科プログラム、小児科プログラムからも選択すれば乳腺内分泌外科をローテーションすることは可能です) 病院公式HPサイト(医学教育部)へ
(注2)税込年収の正確な計算は各種手当の合計となるため複雑ですが、平均的な研修医2年目の場合800万円程度になっています。なお初期研修医には給与と別に宿舎(港区西新橋の民間のワンルームマンション)の割安な提供(家賃12万円程度の部屋が3万円程度で提供されるという意味)があり、2年目の研修医の実質的な税込年収は900万円相当になります。なお時間外が特に多い研修医の場合は税込み年収1000万円(家賃を含め1100万円)程度になるようです。
後期研修医の募集について
日本外科学会に所属する外科系診療科で毎年6名の後期研修医の募集があります。後期研修は各大学医局も力を入れており高倍率の初期研修医の採用と違って、毎年定数程度の応募がある状況です。9月上旬の初回試験に応募すればほぼ採用され、欠員が出れば10月以降の二次募集で充足されるというイメージです。初期では採用されなかった方が、後期から虎の門に来られることもしばしばみられます。
外科専門医については3年間の後期研修(卒後3年~5年目)で受験資格が得られ、乳腺外科専門医についても卒後4年~6年目の3年間の研修で専門医受験資格が得られ、卒後6年目の途中で外科専門医、卒後7年目の途中で乳腺外科専門医の資格を取得できます(外科専門医と乳腺外科専門医には2年間の連動研修が認められています)。
後期研修医の税込年収は1000万円程度となっており、初期研修医と大差ありません。ただ初期と違ってアルバイトが可能のため本業に影響のない範囲で外勤(勤務時間外)を行っていますが、診療科や個人により差があります。税込み年収で1200万円程度の方が多い印象ですが、中には1500万円程度の方もいるようです。虎の門の前期・後期研修医に関していえば贅沢なことを希望しなければそれなりに経済的に恵まれた環境で生活できるので、金銭的なことより如何に臨床経験を積めるか、英文論文を書けるかということの方が皆さんの関心事のように思います。世の中お金のことを細かく質問すると嫌われる傾向にあるので、敢えて細かくここに記載しておきました。
初期・後期の5年間(後期から来られた方は3年間)を虎の門病院で研修した後、その後は当院に残られる方、大学医局に所属される方、がんセンターのレジデント等に応募される方などに進路が分かれます。この点はあまり語られていませんが卒後5年目の夏の時点で進路を確定させ、入局する大学等を決めることができるのは虎の門病院の大きな利点と思います。一度後期研修のローテに入った大学(多くは3年目)を離れ、別大学に入局(転籍)するのはなかなか困難という意味です。
スタッフの募集(乳腺内分泌外科)について
現在スタッフ(専門医クラス)の外部からの募集は行われていません(2024年2月現在)。